オタク娘ヒガハラによる『幻想楽団 Sound Horizon』の話題がメインなブログ。 他、谷山浩子さんや漫画の話なども少々。
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さて。今回から本格的な考察に参ります。

物語音楽というジャンルを体現するSoundHorizon。
なぜ「物語と音楽の融合」の中で成功してきたかというと、一番の理由はずばり
わかりやすさとインパクト
に尽きると思います。

【1.わかりやすさ=主題の存在】

同人時代から今までのCDで考察していきましょう(無印Chronicleはクロセカに代用させてもらいます & PICOと少年は剣を…はStoryCDでないので除外)

大雑把な構成の仕方は【Lost】と【Thanatos 及び それ以降】の二つに分けられます。

論文を書いたことのある方は知っていると思うのですが、文章は主題を最後に持ってくる方法と最初に持ってくる方法があります。
Lostは前者、それ意外は後者です。

後者の手法の方が、最近のSHの主流なので、そちらから先に考察。

この主題を最初に持ってくる方法は、簡単に言えば「手の内を最初から見せている状態」です。
コレはこういう話なんだよ!っていう。

【Thanatos テーマ:死の幻想】
(テーマ部分はアニカンRミュージックのSoundHorizonインタビューより 以降も同様)
Thanatosは一曲目の「そこに在る風景」の冒頭で「幻想とは死を綴るような遊戯 タナトスは誰も逃がさない(そこに在る風景 より歌詞引用)」と、一番最初に主題を明かしています。

つまり、この冒頭でこのCDの印象を決定付けているわけです。

【Chronicle 2nd テーマ:歴史】
ここも同じく、一曲目「黒の預言書」の冒頭ナレーションで
「それは…歴史を辿る少女と世界の物語(黒の預言書 より歌詞引用)
」で主題を語りながら、一見ばらばらである各曲目の内容を「歴史を辿っている」という風に結びつけると同時に
「歌いたい歌があるんだ(中略)受け継がれる思い 終わらないボクらの系譜(クロニクル)(黒の預言書 より歌詞引用)」
で、クロセカの大まかなあらすじまで語り、内容を整理する手助けもしています。

【Elysion 楽園幻想物語組曲 テーマ:楽園と奈落】
「(前略)何故なら…生まれてくる子の名は…遠い昔にもう決めてあるのだから(エルの楽園 SideEより歌詞引用)」
この、いきなりくるJimangのナレーションにより、このCDは「親と子」の物語であることが印象付けられ
「そして幾度目かの楽園の扉が開かれる(エルの楽園 SideEより歌詞引用)」
で、「楽園」という主題を押し出すと同時に「幾度目かの」という言葉を付属することによって、「楽園を巡る物語」という以降の曲の印象を強めます。

【Roman テーマ:物語】
この冒頭曲「朝と夜の物語」では、出だしに「生まれて来る朝と 死んで行く夜の物語(Roman)(朝と夜の物語 より歌詞引用)」を持ってきて
CD全部の内容を一括すると同時に、印象深いメインメロディをもってしてCDのイメージを前面に押し出しています。

さらに、その後に続く印象的な大塚氏のナレーション
「生まれて来る意味 死んで行く意味(朝と夜の物語 より歌詞引用)」 と、
主人公Hiverを務める緑川氏の「其処にRomanはあるのだろうか(朝と夜の物語 より歌詞引用)」
より、生まれてから死ぬまでを巡る物語を探すHiverという主題を明らかにしながら
「君が生きている現在(いま) 十一文字の《伝言》(Message) (後略)(朝と夜の物語 より歌詞引用)」
によって、「11文字の伝言=しあわせにおなりなさい」という隠されたテーマも、実は最初にぶつけているのです。

【聖戦のイベリア テーマ:争い】
この冒頭には深見氏の「焔の悪魔」に関するナレーションが入ります。
これによって、まず、この聖戦のイベリアが「悪魔の存在=レコンキスタを基にしたファンタジーである」ということを説明し、かつ、作中に出てくる悪魔の存在の唐突さを回避しています。

そしてその後のJimangの台詞「(前略)今は聖戦のイベリア、争いの歴史をしっかりと見ておきなさい(争いの系譜 より歌詞引用)」で、このCDがイベリアで起こった争いの歴史を語っているということがわかります。


この以上に並べたこの手法によって、SoundHorizonは、物語の主題を最初に持ってくることによって、一つ一つの曲をとるとただの短編集になってしまうところを、最初に明らかにされた主題によって長編物語という風に編成すると同時に、
人それぞれの解釈によって変わる物語の、誰もが共通する基盤ををつくるのです。


次のレビューは、この続きで「主題を印象付けるインパクト」についてです。
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【2008/01/18 09:36】 | SH雑記
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